hachiのゆんたく広場

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マンガ大賞2019 第3位「ブルーピリオド」1巻を読んだ感想

 

今回は僕自身漫画が大好きなので、少しずつではありますが僕の好きな漫画の感想や紹介、または気になっている漫画についてなどの投稿もしていきたいと思います。

そこで今回はマンガ大賞2019で第3位に入っていて、ずっと読んでみたいと思っていた「ブルーピリオド」を購入し読んでみました。

ちなみに第1位「彼方のアストラ」、第2位「ミステリと言う勿れ」も以前買ったのですがまだ読めていないのでこれから読んでいきます。

もう、2019年も終わろうとしているこの時期になってから読んでいるので、マンガ大賞2020が発表されたら次こそは早めに読もうと思います笑。

初めて「ブルーピリオド」1巻を手に取った時は、芸術に関するマンガとだけ聞いていたので、芸術の‘げ’の字も知らない僕でも楽しめるか不安でしたが、読み出すと登場人物の人間性や今まで知らなかった美術の奥深さなどによって、読む手が止まらなくなるほど引き込まれていきました笑。

読み終わった感想としては今、夢中になれるものがない人ほど読んで見る価値がある漫画だと感じました。

それでは、1巻の感想をどうぞ。

 

©︎山口つばさ/株式会社 講談社

参照:ブルーピリオド

アフタヌーン公式サイト:https://afternoon.kodansha.co.jp/c/blueperiod.html

 

 

 

1巻感想

主人公の矢口八虎は成績優秀、世渡り上手。飲酒喫煙夜遊び好きで人望もあるリア充な男子高校生。

そんな努力型リア充男子が絵を描く喜びにハマり、好きなことに没入する喜びと苦悩がありつつも美大を目指す!という内容になっています。

 

【一筆目】絵を描く悦びに目覚めてみた

1 話目のタイトルが「絵を描く悦びに目覚めてみた」っていうのがYoutuberっぽくてそんな感じのタイトルでやっていくんだなと思っていたら2話目以降は普通でしたので、何も関係なかったみたいですね笑。

まず読んでいて感じたのが八虎のその時その時の心情が細かく描かれており、読者として感情移入がしやすかったということと、登場人物のセリフや言い回しがおしゃれでとても素敵だったことです。

「自分に素直なやつなんかこの文明社会で生きていけないってわかってねーのかな、まぁ美術なんて才能の世界で遊んでいるだけの変人の集まりだもんな」

 

という八虎の心理描写に対してそう言いながらも美術の先生や森先輩などとの関わりから少しずつ美術の魅力に気付いていき、美術の時間の絵を通して初めてちゃんと人と会話できた、といった序盤の話の進め方は美術という難しいテーマを扱っているとは思えないほど、スッと内容が入ってきました。

普通科の高校に通い、普通に就職できそうな大学に行った僕にとっては八虎の気持ちが分かるのでより、感情移入してしまいました。

 

他にも、森先輩の

「あなたが青く見えるならりんごもうさぎの体も青くていいんだよ」

やその後の八虎の

「好きなものを好きっていうのって怖いんだな…」

 

はなぜか心を撃ち抜かれてしまいました。りんごは赤くて当たり前というか、りんごが青く見えるといったことすら今まで一度も感じてこなかったのでそのような芸術に携わっている人の発想っておしゃれだなと感動してしまいました。

好きなものってなかなか周りに言えないっていうのも共感でき、こういう学生の青春を見て「あ〜羨ましいな」と思っているあたり、僕も大人になってしまったなと感じてしまいました。

 

【二筆目】有意義な時間

遊びも勉強も手を抜かずにやってきたのになに一つ実感が得られなかった八虎が絵を通して初めて人と話せたことをきっかけに絵を描くことに対して悩み、

「お絵描きって趣味でいいんじゃないの?プロ目指さなくても美大に行かなくても絵は描ける、ガチでやる意味ある?」

と考え始めます。しかし、それに対して

「好きなことは趣味でいい。これは大人の発想だと思いますよ」

という美術の先生の言葉から美大に進みたいと決めた八虎は美術部に入部し本格的に美術に触れていくことになります。

しかし、家庭の事情から私立ではなく国立しか選択肢がない八虎は国内唯一の国立美術大学東京藝術大学を目指しますが、なんと藝大の倍率は日本一である意味東京大学よりも難しいとのこと。

さらに高校生が受かる倍率は実質200倍!考えただけでもぞっ!とします笑。僕なら一瞬で進路変更しますね。

美術の先生の知り合いには10浪がいるそうですが、それだったら10年間の予備校代などの勉強に使った必要経費を考えると、私立の美大に行った方が安くない?と思った僕は浅はかなのでしょうか笑。

 

【三筆目】全然焼けてねぇ

美大を目指すことを親に言えないまま入部した八虎だが、美術部の夏休みの課題で「デッサン7枚」「水彩3枚」「スクラップブック」「1日1枚写真」「作品1点」と大量に出された課題を毎日学校に来て取り組むなど努力型リア充は伊達じゃないなと感じました。

さらにデッサンに関してはノルマの7枚を大きく上回る30枚を仕上げるといった取り組み姿勢なんかからも八虎の本気度が伝わり、八虎カッコいいな!と感動している自分がいました。

画家さんがよくやる鉛筆を持って集中しているポーズや手で四角を作って対象を見ているポーズにもちゃんと意味があったようですね。なにも知らなかった僕は野球選手のイチロー選手がやるルーティンと同じようなもんなんだろうなと思ってました。

ちなみにデッサンは1枚5時間で仕上げるルールだったのですが、1日の睡眠時間を7時間と考えるとデッサンと睡眠で1日の半分終わってないですか?笑

そして、この八虎の頑張りも母親に伝わり、母親も八虎を応援しようと決めます。

 

【四筆目】マジ神じゃない

その後、森先輩の推薦が通ったことをきっかけに油画科を専門にしていくことに決めた八虎は自分の貯金を崩して予備校に通い始めます。

絵を描くきっかけとなったのが森先輩の油絵だったから自分も油絵をやりたいと決めていたところに八虎の森先輩への憧れのようなものを感じ、良い関係性だなと思いました。逆にそれをユカちゃんには知られたくないというのも八虎とユカちゃんらしくて良かったです笑。

予備校で出会った天才:高橋世田介の才能を間近で見た八虎は自分が天才でないことを自覚しますが、

「俺はやっぱりただの人だ、特別じゃない、天才にはなれない、やった分しか上手くならない、だったら天才と見分けがつかなくなるまでやればいい」

と考えます。自分は天才じゃないと知って、それでもなお頑張ろうと思える八虎は素直にカッコよく見えました。努力を惜しまない人が才能に勝っていくストーリーって大体泣けますよね。

 

ここで1巻は終わりましたが、思ったよりボリューミーでした。内容はもちろんですが、他の単行本に比べても圧倒的にページ数が多かったので質・量ともに満足でした。

この記事を書きながら思ったんですが、美術部の先生の名前ってどこかにありました?次回以降で公表されるのでしょうか。早速2巻以降が気になるので読んでいきます。